行動指針として求める人物像

最近アルバイト採用を行った(多くの方々にお会いでき、参画してもらえることが決まり嬉しい限りです!)ことで、当社が求める人物像について記事を書いてみようと思いました。

求める人物像ということで表紙写真をどうしようかと思い、例によって記事内容とは無関係ですが、故郷石川県小松市の観光地『安宅の関』の義経や弁慶像の写真を拝借しました。
安宅の関って何?どこのこと?という方は、写真をお借りした日本旅マガジンさんのページをぜひご覧ください。
ちなみに、前回の日没の海の写真は、こちらの安宅の海で撮影したものです。

さて、求める人物像について、当社の採用ページにも3つ掲載しているのですが、入社後はさらに2つを追加した以下5つの行動指針を意識した取り組みをお願いしています。
これらは人事評価時の評価基準(当社の人事評価システムについては別途書きたいと思います)としても取り入れられていますので紹介していきたいと思います。

「当事者意識」

「圧倒的当事者意識」というフレーズがとても有名ですので、あえてここで私が説明せずとも、ググってみていただけると、その大切さを誰かが代弁してくれていると思います。
ひとまず、検索時にトップに出てきた記事を紹介しておきます。

主体的に動ける人/他人事にしない人/先回りできる人
高い当事者意識を持って業務に取り組んでいただける人材を求めます。
自分自身がお客様先担当者またはお客様先経営者だったら、今どのように行動すべきかを常に意識してほしいと思います。

「言われたことはやった」「◯◯の確認待ちで先に進めない」

受託開発ではどうしてもこういう姿勢に陥りがちです(自戒を込めて常に自問自答を心掛けています)。
しかし、この間にも刻一刻と、対応スケジュールが遅れていたり、お客様の逸失利益が拡大していたりします。
受動的になって見合ってしまうばかりでなく、直接的に自身の役割でなくとも、主体的に「これはどうなっている?」「あれはそのままでいいのか?」と攻める姿勢を心がけてくれるメンバーがいると、プロジェクト管理者やお客様から大きな感謝と尊敬を獲得することができると思います。

「言語化」

読書家(マンガ・ラノベ含む)/整理して伝えることが得意な人/チャットが好きな人
言語化に抵抗がなく、書き出す・推敲する・(見てもらい)意見をもらうを習慣的に実践している人材を求めます。

  • 「これで合ってるか?」と再確認を要する連絡・指示(相手方に言語化の押し付け)
  • 試行錯誤の形跡がない、たたき台なしの質問・相談(不明点の言語化の放棄)

といった知的怠惰を社内から撲滅したいと思います。

とはいえ、「何が分からないのかも分からない」という状況に陥ることもあると思います。
そういう時には↓の記事を読んでもらうことにしています。
「質問は、二台目の掃除機を買いにいくつもりでしろ」

ちなみに、元日本代表・JリーグMVPなど、日本を代表するサッカー選手として有名な中村憲剛氏は「ボランチには言語化がマスト」だとおっしゃっています。
ちなみに、ボランチとは、現役引退後に指導者・監督としても優れた結果を残す戦術家が多く、選手でありながら「司令塔」「ピッチ上の監督」と表現される中盤のポジションです。
1分1秒を争う激しい身体的動作を繰り出しながら、相手選手の動きや試合の流れを正確に把握し、具体的なメッセージを他の選手に伝える必要があります。

アスリートの世界でさえ、チームプレーにおいて意図を正確に伝え周囲を動かす重要性が叫ばれる中、
成果物が身体動作ではなく知的労働であるビジネスの世界においては言うまでもなく、「言語化」能力が高い人は有利になります。

「分業・リレー意識」

メモが好きな人/引き継ぎ上手/行間を読むのが得意
作業進捗を周囲のメンバーが把握しやすく、日頃から進捗度合いを記録する人材を求めます。

当社では普段のタスク管理に Trello 、開発管理に Redmine や Backlog を利用しています。
当日中に誰の手も借りずにそれぞれのカード/チケットのタスクを完了できるなら不要かもしれませんが、
複数日・人に渡って対応することが多く、その際に「あれってどうなってる?」と周囲のメンバーが考える/聞くことはよくある話です。
そんな時、該当のカード/チケットを検索すると、すぐに見つかり、

  • どこまでやってあって
  • あと何が残っていて
  • いつ完了予定か

といった進捗・対応目途の情報がまとまっていると、安心感・信頼感が爆上がり間違いなしです。

1人で完結する仕事はほとんど存在しません。何かしら他メンバーから引き継ぎ、引き渡していきます。
本人の意図に関わらず、メンバーが交代して対応する場合も出てきます。

情報が整理されてまとまっていると、誰かに不意に呼ばれることなく自分の仕事に集中しやすくて、結果的に一番面倒くさくない仕事の進め方ができると思います。

「建設的」

冷静で客観的な思考ができる人/ポジティブに捉えることができる人/「後悔」ではなく「反省」ができる人
常に前を向いて、今後どうすべきかに焦点を当てて議論できる人材を求めます。

社内外問わず、周囲に期待した行動を取ってもらえることばかりとは限りません。
「お客様/社内外パートナーがやってくれるはずだったことをやってくれない」「マイルストーンを逃してしまった」

気持ちとしてはとてもよく分かるのですが、やってしまった/起こってしまったことに対して責任を追及しても、目の前の状況が自然と改善されることはまずありません。
次に何をすれば課題解決されるか、前向きかつ建設的な議論に切り替える動きを期待します。

うまくいってないことは分かったので、どうしたらそれを前進させられるか、に力を注いでいきましょうってことですね。

「想像力」

異なる立場の考え方が理解できる人/知っていることから知らないことを連想できる人
自らの知識・経験を十二分に活用して、未知・未経験領域に仮説を立てることのできる人材を求めます。

突然ですが、就職活動の面接において「リーダーシップをとった経験」、転職活動の面接において「チーム内での役割」は、これまでどなたも質問・経験されてきたのではないでしょうか。
この質問はその人にリーダーとしての役割・活躍を期待しているものではありません。
リーダー(経営陣やチームリーダー)の気持ちを理解して、リーダーではない立場でも当事者意識高く行動できるかどうかを問われています。
リーダーシップとは、当事者意識のことだ
企業に貢献できる思考や行動力があるかを判断するため

受託開発においては、お客様の業種・業務フローを理解した(少なくともそう感じさせる)企画・提案が求められます。
当然ながらお客様と同業務に携わった経験がないことの方が圧倒的に多く、お客様や先輩に一から十まで教わることができない場合が多くあります。
そんな時に、全て教わろうとするのでなく、相手の立場に立って(実際には経験しているわけではないので、相手の立場・業務をひたらすらに想像して)提案できるとお客様の期待を超えた喜びが生まれます。

とはいえ、相手の気持ちになってみる、と口で言うのは簡単だが、経験したこともない人の気持ちを考えるのは結構難しい ものです。
世の中自分が経験することのない事象の方が圧倒的に多いわけですから、常日頃から何かを経験する度に自問自答する(これこのまま続けたらどうなるんだろう?/これやり方変えたらどうなるんだろう?)ことを心掛けてもらいたいと思います。

行動指針に基づく人事評価(結びに代えて)

当社の人事評価制度(別途紹介予定)において、これらの行動指針に基づく評価は、全体の 1/4 を占める大きな項目となっています。
各行動指針について、以下の3つの基準で評価を実施しています。
A 要求水準を満たす
B 要求水準に届かない
C 要求水準とかけ離れている
人物像として5つの要素を体現することで、仮にスキルや実績が不足する場合でも、全体の 1/4 をクリアすることになり、それを毎年継続して獲得可能になります(追加で新しく実現すべきことがない!)。

人によっては、社会人として当たり前ばかりと思うかもしれませんが、これら5つの行動指針を当社がどれだけ重視しているか、ご理解いただきやすいと思います。
改めて言語化して示していることで、自律の一助となれば幸いです。