はじめに

こんにちは、エンジニアの荒井です。昨年に続き、AWS認定試験に挑戦しました。
今回は、その受験に関するタイムライン、勉強法、率直な感想をまとめたいと思います。

昨年のAWS Certified Developer - Associate(DVA)の受験記事はこちらで公開しています。

取得した認定について

AWS認定は、レベル・専門分野によって分かれています。
(詳細はAWS認定試験 公式サイトを参照ください。)

今回、私が取得したのはAWS Certified Solutions Architect - Associateです。
この認定は、AWSサービスを活用した最適なシステム設計に焦点を当てています。一般的には、クラウドまたはオンプレミス環境で一定の実務経験を持つ方を対象としているとされていますが、特に受験資格は設けられていません。

現在の試験バージョンはSAA-C03で、2022年に改訂されました。AWS認定試験の改訂は、SAAに限らず、出題されるサービス範囲の追加や配点比率の変更、そしてAWSが重視する基本的な知識のアップデートを反映する傾向にあると理解しています。

試験の基本的な情報は以下の通りです。

  • 問題数: 65問(うち15問は採点対象外)
  • 合格ライン: 1000点満点中720点以上
  • 配点: 問題によって異なる

自身のAWS経験とレベルについて

私がAWSを実務で利用している期間は約5年になります。
主な使用サービスは、前回の記事公開時点から大きな変化はありません。
以前は苦手意識の強かったIAM、CloudFormation、VPC、CodeBuild、CodeDeployも少し苦手意識が減ったので、やっと中の中レベルに達したくらいかなと思っています。

AWS Certified Solutions Architect - Associate(SAA)では、主にサービス選定の段階におけるコスト効率とパフォーマンスの最適化が重要なテーマになります。
私の実務経験としては「なくはないけれど、多くはない」程度です。
前回受験したAWS Certified Developer - Associate(DVA)が対象とする、設定値レベルでの最適化の方が経験が多いですね。

合格発表まで

時系列

  • 〜昨年夏: 教材の購入
  • 〜4月: 気まぐれに教材を開いては閉じる日々
  • 04/15: 勢いで試験申し込み
  • 04/16: AWS公式模擬試験(20問)を受験 → 正答率45%
  • 04/15〜21: 試験勉強期間
  • 04/22: 本試験受験 => 合格

勉強方法

主に書籍を利用し、約1週間集中的に学習しました。
前回のDVA受験時は、毎日1.5時間を目安に2週間かけていましたが、今回は日によって勉強時間にばらつきがあり、トータルの学習期間も短くなりました。(予定していた勉強時間に、AWSの障害発生が重なったことも理由の一つです…)

最終的な総勉強時間は、およそ12時間程度だったと思います。
解説を読み進め、各章末の問題を解くというサイクルを繰り返しました。1周完了後、別の教材に収録されている模擬試験問題に取り組みました。
前回のDVA試験では解説本を3周しましたが、今回は全体を1周+苦手な分野のみ追加で1周するに留まりました。

tips: ストレージ系の問題に注目

DVAと比較して、SAAでは明らかにストレージサービスに関する問題の比重が高かったです。

  • 格納したいデータのサイズ、特性、アクセス頻度
  • 移行元や参照元のシステム構成

上記2つの要素の組み合わせから、最適なストレージサービスを選択できるようになると、自信を持って解答できる問題が増えそうです。

tips: サービスへの興味を持つ

これはtipsというほどではないかもしれませんが…(笑)

例えば、オンプレミス環境からAWSへ大容量データを移行する際に利用する物理デバイスを使用したサービス "AWS Snowball" があります。
私は最初、その名前から白くて丸いAmazon Echo Dotのような可愛らしいものを想像していました。
(実際は全く異なり、ゴツいです。気になる方はぜひGoogle画像検索で調べてみてください)

現在私は大容量データを扱う業務に携わっていませんが、各種物理デバイスが好きなので、いつかSnowballを使う機会があればと密かに楽しみにしています。
サービスの詳細は、AWS公式リファレンスで確認できます。

このように、サービスそのものに興味を持つことで、学習が楽しくなり、効率向上に繋がるかもしれません。

tips: オンプレミスや既存システムとの連携

AWSの多くのサービスは、既存のシステムとの互換性を考慮した機能を提供しています。SAAの試験では、DVAよりもこれらの連携機能に関する問題が多いように感じました。

「既存のアプリケーションで〇〇を使用している」といった前提条件に対し、AWSの各サービスの中から、アプリケーション側の改修コストを抑えつつ連携できる機能を選択できるようになっておくと有利かもしれません。

受験

試験予約と当日

今回もピアソンVUEを通じて、自宅近くのテストセンターを予約しました。
試験開始15分前の到着が推奨されていたため、その通りに到着し、受付手続きや注意事項の説明を受け、予約時間の5分前に試験を開始しました。

約60分で全ての問題を解き終え、念のためフラグを付けていた問題を見直してから退室しました。
これから受験される方は、くれぐれも遅刻と身分証明書の忘れ物にはご注意ください!

試験の印象

(AWS認定の規約上、試験内容の詳細についてはお伝えできません。)

前述のSnowballに関する問題には残念ながら出会えず、全体的に選択肢を絞りきれないような感覚を覚えながら解答していました。
SAAを受験した今振り返ると、DVAの方が「これでは動作しないだろう」という明確な不正解選択肢が含まれているため、比較的絞りやすかったと感じます。

個人的な印象ですが、SAAの問題は「〇〇の最適化」というキーワードに焦点を当てすぎるあまり、やや極端にも思える選択肢が正解となるケースがあるように思います。
もちろん、問題文には明確な最適化の対象が示されているため正答であることに間違いないのですが、解答に少し迷う瞬間がありました。

結果

試験結果は771点で合格でした。分野別のコンピテンシー評価では、「高性能アーキテクチャの設計」が未達となりました。

未達となった分野について特に苦手意識があるわけではないため、他の分野もボーダーラインで、その中でもこの分野がわずかに及ばなかったのかなと思っています。

おわりに

今回のAWS Certified Solutions Architect - Associateの受験体験記はいかがでしたでしょうか。
何かひとつでも今後受ける方の参考になれば幸いです。

総括すると、合格はしたもののギリギリのラインでした。明らかに勉強期間と量が不足していたと反省しています。
前回のDVAの記事では、最後に以下のように締めくくっていました。

できれば次はもう少し、これは受かった気がする!という気持ちで試験を終えたいなと思っています。

今回は全くその目標を達成できなかったので、次回の試験に向けて、この目標を改めて掲げたいと思います!