はじめに
こんにちは。ミルディアの廣瀬です。
「AIの民主化」などと言われている通り、ChatGPTやGemini、Copilotなどの登場によりAI活用のハードルが大きく下がってきました。
ところが周囲で活用状況を確認すると、意外とエンジニアの中でも敬遠していたり、あまり上手く使いなせず、苦手意識がある方も少なくないようです。
せっかく活用のハードルが下がっているのでAIの中でもチャットツールに着目して「小難しそう」という先入観を捨てて、便利に使いこなすための基礎を解説します。
趣旨の通りどちらかというと初心者向けの内容なので、既にAIを利用されている方には物足りない内容かもしれません。また、とくに記載がなければブラウザからのGUI操作を前提としています。CUI派の方はこちらの記事を参考にしてみてください。
なお、AIチャットツールを活用する際は機密情報の取り扱いには十分注意し、Gemini Apps アクティビティをオフにするなど入力データが学習されない設定になっているか確認してください。弊社で利用しているGeminiでは入力データがAIの学習データとして利用されない設定になっています。
基本の確認
基本:プロンプトとは
生成AIの文脈におけるプロンプトの意味は「AIに指示を出すための命令文」のことです。
「今日の天気を教えて」「子犬の画像を生成して」「こんなエラーメッセージが出たんだけど、どうしたらいいか教えて」などなど、さまざまな指示を与えるとその指示に沿った回答を生成してお返事をくれる、というのが基本的な仕組みです。
基本:AIチャットの仕組み
AIの学習モデルは膨大なテキストデータをインプットとして取り込み、与えられたプロンプトに対して「確率論で多くの場合こう続きを書くだろうと思われる単語」を並べることで作文します。
「今日の天気を教えて」に対して「親譲りの無鉄砲で小供の時から・・・」と返す確率は低く、「明日は雲が多く・・・」という文章が続く可能性が高い、とそんな感じです。
もちろん細かい話をすればもっと複雑な処理をするのですが、そこは割愛します。

プロンプトの作り方のコツ
AIは構造化された文章が得意です。
今のAIは結構賢いので、何も考えずに文章をつらつらと書き綴ってもなんとかしてくれるのですが、指示を構造的に渡すことで回答の精度が格段に良くなります。
XML、Markdown、JSON、などなど…どの形式にするかは宗派もあるものの、とにかく情報を整理してあげるのがコツなのは共通です。
では構造化するにあたってどんな情報を含めればよいか、一般的には以下のようなポイントがあります。
役割・立場を与える
膨大なテキストデータを書いた元の人間は、これまた膨大な多種多様な属性の人が含まれています。
AIモデルはそのままだと、男性でもあり、女性でもあり、小学生であり、専業主夫であり、弁護士であり、医者であり、おばあさんであり、日本語を学習中のカナダ人であり、場合によってはファンタジー小説の世界に生きるエルフであり、キーボードをランダムで叩くサルであるかもしれません。
同じ質問をしたとしても、誰に聞くのかで回答が変わってくるのは容易に想像ができると思います。
つまり目的に合う精度が高い回答をしてもらうためには、AIに役割・立場を与えて何者かになってもらえばいいのです。
「あなたはデータ分析の専門家です。」「プロのライターとして文章を作成してください。」「小学校の先生が生徒に説明するように解説してください。」「私の親友としてアドバイスして。」
などなど、役割や立場を設定することで、求める専門性やトーンに近いアウトプットが出てくる確率が上がる、という訳です。

指示・目的をはっきりさせる
指示や目的もはっきりと伝えましょう。文章を作成して欲しいのか、自分の文章をレビューして欲しいのか、何かの方針を検討して欲しいのか、ゴールが曖昧なままだと成果物も期待と異なるものが出てきてしまう可能性があります。(しつこいですがAIは無限の可能性を確率で処理しているので)
この辺りは人間相手に何かの作業依頼をする時も同じですけどね。
背景も一緒に伝える
目的だけではなく、背景(コンテキスト)を一緒に添えるとよりよい結果が出てきます。(これも人間相手と一緒です)
文章を作成するのであれば、誰が読む想定の文章か?ITエンジニア向けのドキュメントかユーザーに提示する説明資料なのかによっても文章の粒度や使われる用語の専門性が変わります。
検討・検証であればどこまでは検討済なのか?それを踏まえて欲しいのか、あえてゼロベースで考えて欲しいのか、など。
制約事項があれば伝える
出力形式に希望があったり、逆にしてほしくないことがあればそれも伝えましょう。
「markdown形式 or JSON形式にしてコードブロックで出力して」と伝えてあげると、出力結果をそのままコピペできてちょっと便利です。(そのまま出力させるとレンダリングされてしまい構造が崩れてしまうことが多々あります。)
分析や整理をしてほしいのであれば表にしてもらったり、文章の推敲は修正済の全文を出させると細部を勝手に変えてくるので「修正後の文章ではなく、修正案の指摘だけを出力してください」と指定するのも有効です。
技術調査や解説を頼むと一般的なIT用語をやたらとレストランなどに例えてくるので「IT用語を例えで言い換えないでください」と伝えて不用意に文章量を増やさないようにする、などの対策はここで実施します。
プロンプトのコツまとめ

ここまでの話をまとめると、AIにより望ましいお返事をもらうためのプロンプトのフォーマット例は以下の通りになります。もちろん無理に全部埋める必要はありません。
## 役割・立場
あなたは○○です。
## 指示・目的
△△をするために××について分析して、関連性を調査してください。
## 背景
ユーザーは××について専門的な知識を持っていないので、専門用語は分かりやすく解説を添えてください。
## 制約事項
解説をする際は例え話はしないでください。
うん、まぁ毎回これを書くのって正直面倒ですよね。
いつも同じような指示から始めるのであれば、なんとかしてテンプレート化しておきたいものです。
そんなあなたにGeminiのGem機能。基礎編としては一旦ここまでとして、Gem機能については次回の実践編でご紹介します。

